私はかつて受験生でした。それから時が経ち、現在は書店で働いております。時としてかつてお世話になった方の著作に巡りあうことがあります。私にとってのその一例が竹岡先生の本です。竹岡先生には高校のころ英語を習っておりました。「ドラゴン桜」を読みつつ「へー受験業界では有名人なんだなぁ」と驚いたものでした。
高校当時に竹岡先生に紹介してもらっていまだに印象に残っているのが「コペルニクス英作文」という参考書です。英作文の問題で出題者から求められているだろう構文や単語などに不安がある場合に、自信の持てる単語や構文を駆使し表現を変えて解答しても点数は結構拾える、というのが本質だったように記憶しています。この考え方は英作文に限るものでなく、書店においても効果的です。お客様のお探しのそのものの商品を切らしていた場合でも、次善の商品を紹介できれば十分に喜んでもらえるかもしれない、という部分点の積み重ねは書店においてきわめて重要です。
その「コペルニクス英作文」は現在全面改訂され「ガリレオの英作文」という名前で販売されています。英語の、または人生の参考にいかがでしょうか。当然竹岡先生の本も是非。
もうすぐワールドカップのブラジル大会が始まります。当然サッカー関連本がたくさん発売になり収まりきらないくらいになってきました。
その中に気になる本が一冊。二見書房発行の「ヨハン・クライフ サッカー論」です。本書はパスやドリブルなどの技術、センターフォワードやハーフセンターバックなどポジションの役割などクライフの「65年間のサッカー哲学をすべて明かす初の戦術書」となっており、直接ワールドカップとは関係ありません。ただクライフ率いるオランダがかつてワールドカップにおいて披露した華麗なる「トータルフットボール」はいまだ語り継がれており、その「トータルフットボール」と同様に私達をワクワクさせてくれるようなクライフ哲学に満ちたコミックも登場してきています。
その代表はタイトルからも明らかな「夕空のクライフイズム」。とある高校に現れた新監督&その娘たるコーチは極上のクライフ信奉者。3-4-3というフォーメーションの解説にしても小ネタを多用し戦術に興味のない人にも面白く理解できるよう工夫されています。クライフちっくな発言を作中引用させていただくと「私達だけが挑めるんです、クライフに。最も美しいサッカーに。その為ならば、勝つことくらい、あきらめましょう」--現在のところ1巻が発売になっています。
もう一つオススメは「さよならフットボール」です。こちらは中学校が舞台でフィジカルvs.トータルフットボールな一戦。女子が絡んでくるのが見ものであり読後感も抜群。同じくクライフちっくな発言を作中引用させていただくと「ポジションチェンジを繰り返しながらパスを繋ぎフリーでボールを持てる状態を作る。そこで個性が生きチームが機能し躍動する。フットボールはどこまでいってもパスゲームなんだ」--こちらは2巻で完結しています。
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